INTERVIEW 社員インタビュー
エフェクトデザイナーも”絵だけ”ではなく”ゲーム”を作っていると実感できる
デザイナー/スペシャリスト
かっこいい演出を作りたい!
子供のころからゲームが好きで、特に『ファイナルファンタジー』の召喚獣や魔法の派手でかっこいい演出が好きでした。ゲームを作る仕事ができたらいいなと考えゲームの専門学校へ進みました。
そこでデザインワークを一通りを学び、その中でも派手な技や演出に関わりの深いエフェクトに興味を持ち、エフェクトデザイナーを募集していた会社に入社しました。ところが3作の開発に携わったのち、会社が解散することになりました。
その時、フィールプラス(現マーベラス)が社員全員を引き受けてくれることになり、以降合併を経ながらずっとこの会社にお世話になっています。
特に印象に残っている仕事は『ロストオデッセイ』です。大好きな『ファイナルファンタジー』の生みの親である坂口博信さんのプロジェクトにアサインしてくださったので、とてもうれしかったことを覚えています。ずっと作りたいと思っていた派手な演出のエフェクトも経験できました。
そのプロジェクトで出会った上司には、本当にいろいろなことを教えていただきました。細かくフィードバックしていただいたり根気強く教えていただき、その方に教えてもらったことが今の自分の基盤になっていると思います。
エフェクトしか作ってこなかった僕にリーダーを任せてくれた
転機になった作品は『SOUL SACRIFICE』ですね。初めてリードを任されました。
カバルという魔法を作るチームで最初はエフェクトを担当していたのですが、リードが抜けることになった際、「君なら出来そう」ということでデザイナーなのにパート全体のリードを任されることになったんです。
進め方もわからないままアイディアを出し合い、出てきたものをディレクターやアートディレクターに相談しながら作り上げていきました。それまでは「エフェクトを作る」という意識だったのですが「みんなでゲームを作る」という強い実感と共に意識が大きく転換しました。
ほかのカバルチームでもプログラマやデザイナーがリードに登用されていました。そこからディレクターに転向した方もいます。積極性があれば難しいポジションにもチャレンジできるし、希望をすればチャンスを与えてくれる環境があると思います。”職種”ではなく”人”を見て任せているのがいいなと思います。
リードからもう一度、一人のデザイナーとして
その後はエフェクトリードやデザインリードとしてモバイルタイトルの開発にかかわりました。コンシューマ以外のデバイスに挑戦できる機会だったので、ありがたく引き受けました。そこでは必殺技のパラメータなど企画のパートにも少し携わらせてもらったり、職種を超えてやりたいと手をあげたことにも挑戦させてもらいました。
デザインリードだったときはエフェクトづくりに専念することができなかったので、プライベートで技術の勉強をしていました。ちょうど自社エンジンからUnityやUnreal Engineに代わっていくタイミングで、これまでエンジニアにお願いしていたシェーダーやマテリアルをデザイナーでも作れるようになっていきました。海外から次々発信される情報を目の当たりにして、エフェクトの最新技術から取り残される焦りがありました。
デザインリードの仕事にも価値を感じていましたが、一人で勉強していく楽しさと難しさを痛感するなかで、しっかり勉強していかないとついていけない、次のプロジェクトではエフェクトに専念したいと上長に相談しました。
希望を酌んでいただき、アサインされたのが『DEADCRAFT』でした。
Unreal Engineでリアルでもアニメでもない、特徴あるビジュアルに合うエフェクトを表現するために、かなり試行錯誤させてもらいました。
血しぶきや爆発などを世紀末の世界観に合う荒々しさのあるテイストで、きれいになりすぎないことやリアルになりすぎないことに注意して作りこんでいきました。
『DAEMON X MACHINA』や『DEADCRAFT』では全員でプレイして意見を出し合うプレイ会を定期的に実施していました。
職種を問わず「ここをもっとこうしてほしい」「こうしたらもっと良くなる」「ここが良い」と遠慮のない意見を出し合うんです。自分の意見が取り入れられれば素直にうれしいですし、熱量の高い意見が集まっていくのを見ると、みんながこのゲームを良いものにしたいと考えていることも伝わってきます。
隣に経験豊富な人がいて、いつでも相談できる環境
今は新しいコンシューマのプロジェクトでエフェクトを担当しています。Unreal Engine 5が正式にリリースされ、マーベラスでもすでにプロジェクトで採用されています。UE5だからこそできるエフェクトづくりを学んで挑戦していきたいですね。
リードの下で作ることに専念させてもらって、「こういうことを実現するために勉強する時間を作りたい」と相談して時間をもらうことができるのは、この立場の良いところです。他のチームメンバーも、新しいツールや技術を取り入れて楽しそうですし、すごいなと感じることも多いです。
背景チームが組んだマテリアルの作り方を教えてもらってエフェクトに取り入れたり、ほかのチームが作ったものを「どうやって作ったの?」と教えてもらったり、各メンバーがセクションの垣根を超えて教え合う場面もよくあります。
いずれまたリードの機会が回ってきたら、ここで経験できたことを生かせるんじゃないかと思います。
社内にはグラフィックサポートチームがいて技術力のあるエンジニアが気軽に相談に答えてくれます。デザイナーが自分たちでできることが増えても、知識やその深さの及ばないところを気軽に相談したり問題解決できる環境はありがたいです。若手もベテランも技術に貪欲で、年齢や所属を問わず相談したり教え合っています。
今は様々な情報に触れることができますが、より実践的な情報を得ることは難しかったり、情報だけではうまく使いこなせなかったりします。自分の隣に経験豊富な人がいて相談できる環境は、会社だからこそ得られるものです。最新の環境に触れられるプロジェクトが複数あって、最新技術でゲームを作りたい人の受け皿があるのは、この会社の良いところだと思います。
PROFILE
Katsu
2005年入社。主にコンシューマタイトルのエフェクトデザインを担当したのち『SOUL SACRIFICE』のパートリーダーを経験、複数タイトルのデザインリードを経験したのち『DEADCRAFT』エフェクトデザインを担当。現在は新規タイトルでエフェクトデザインを担当。
- ツール
- Unreal Engine 4 / Photoshop / Substance Painter / Substance Designer / Maya / Houdini / AfterEffects